Travel-Happy-Ireland

ガイドブックには載っていないアイルランドの情報&子育てなど

クリスマスのライトアップ★知り合いのタクシー運転手がテレビに出演

f:id:kosodate-blog-ireland-mama:20171218083350j:plain

 

こんにちは★Maroonです。アイルランドではだいぶ冷え込んで来ましたが、風邪をひくこともなく、楽しく忙しい毎日を過ごしております。治安の良さでは世界的に評価の高いアイルランドですが、昨今の経済状況の悪化などにより、最近は非常に痛ましく暗いニュースが続いています。

 

そんな中で、先日いつも利用しているタクシーの運転手さんから、心が少し明るくなるニュースを聞いたので、今日はそちらを紹介したいと思います。

 

目次

 

自宅をライトアップしてチャリティー

 

彼の名前は、Nigel。私の住んでいる街ヨール(Youghal)にはタクシー会社が数軒あるのですが、彼はその数少ないタクシー会社(Blackwater Cab)の運転手のひとり。

 

日本のように一つの会社に何十名も運転手がいるようなことはなく、午前中は一人、午後は交代で、別な人に。夜は2名ほど、という感じで、顔と名前を覚えやすいのです。

 

この街のタクシーは乗り合いタクシーのみです。いつものようにタクシーを利用していると、一緒に乗り合わせた乗客が「何時にテレビに出演するの?」と運転手に聞いていました。

 

私は、乗り物酔いがひどい上に、小さい頃から母に「運転中は危ないから、運転手に話しかけないこと!」と厳しく育てられてきたので、普段はタクシーで話すことは滅多にありません。

 

しかし今回は何事か!?と思い、思わず訊ねてしまいました。Nigelによると、彼は毎年クリスマスの季節になるとチャリティーで自宅のライトアップを盛大に行うそうです。

 

全ての飾りつけを仕事の合間に行い、3週間ほどかかったそうです。そしてそのチャリティーで集まったお金は、両親を自殺で亡くした子供たちに寄付されるとのこと。

 

今年の映像は見つけられなかったのですが、去年の映像がYouTubeにアップされているので、紹介したいと思います。マイクを持って説明している人がNigelです。とても、緊張している様子が伝わってきます。

 


Nigel and Demelza Kirby's Christmas Lights Display in Youghal, Co Cork.

 

どこのテレビ局かは忘れてしまいましたが、(おそらくitvかtv3)の取材を受けて報道されるとのことでした。(12月上旬に報道済み)

 

 

この他にも同じくYoughalで別のチャリティー目的でクリスマスのライトアップが行われていることを知りました。こちらはどうやら癌患者のサポートのようです。12月1日にRTEで報道されました。

 

 

youtu.be

 

どちらもとても完成度が高く、生まれてから一度もクリスマスのライトアップを見ていない娘にぜひ見せてあげたくなります!

 

 

日本人にはあまり馴染みのないチャリティー

 

日本人の私にはあまりピンとこないチャリティという言葉。それもそのはず、もともとはキリスト教から生まれた言葉で、日本語では「慈善活動」などと翻訳されているからです。

 

 

私はキリスト教系の幼稚園に行ったので、なんとなくバザーなどで意味は分かっているつもりですが、体に染みこんではいない。そんなニュアンスの言葉なんです。しかし、私自身が誰かにチャリティーをしたり、逆にチャリティーを施されたことも両方経験してみて、やっとその意味が少しづつ分かりかけて来ている感じです。

 

 

営利目的 or 非営利のチャリティー 

 

しかし、ここでいうチャリティは、宗教団体やお金持ちや企業が行う「慈善活動」や「チャリティ」とは全く意味が違うような気がします。アイルランドのチャリティーは、相手が可愛そうだから何かを施すのが当たり前という上からの目線ではなくて、どちらかというと、お互いに人生の困難を体験してきて、相手の痛みが分かるからこそ、共同体として互いに助け合うのが当たり前という精神が感じられるのです。

 

 

日本の北海道より小さい面積の島国に、約470万人の人口しか住んでいないのがアイルランドです。なので、知り合いの知り合いは親戚だったということも少なくありません。そして決して経済的にも豊かな国とは言えないため、やはり共同体の意識が強いように思います。

 

もちろん、アイルランドにある全てのチャリティー団体がそのような共同体の助け合いの精神を持っているかというそうではなく、営利目的のみでチャリティーショップを運営するところもあります。むしろ、Non-profit(非営利)のチャリティーショップは珍しい方です。

 

チャリティショップとは、全てが寄付からなるお店で、値札が付いた新品の衣服からアンティーク家具まで、幅広い品揃えが特徴です。日本のリサイクルショップなどと比べると、お店によっては少し安価なイメージがあります。収益の行き先は、お店によって異なり、店員に報酬として支払われるお店もあれば、一部が、体に病気や障害のある人や動物をサポートする団体に寄付される場合もあります。また、宗教団体がバックサポートをしており、収益も教会に寄付される場合もあります。

 

 

チャリティーショップで働く人は、インターンシップが学校の必修単位だから仕方なく行う学生もいれば、意識の高い学生もいたりと人それぞれです。中には、一日中家にいて暇だから何か手伝いたいという人もいますし、海外からの移住者で、地域のコミュニティの中で何か役に立ちたいという主婦の方などもいます。

 

 

共同体の意識は国境を越えるのか?

 

モルドヴァの孤児をアイルランド人が支援

 

そして、その共同体の意識が実は国境を越えることも私は知っています。以前、アイルランドに来たばかりの頃、知り合いが運営するチャリティ・ショップをお手伝いしていたことがあるのですが、そのチャリティはEUで一番小さく貧しい国モルドヴァの孤児を支援するチャリティ団体でした。その時の婚約者(現・夫)も運営員の一人でした。

 

アイルランドで手術を受けても治らないといわれていた人が、モルドヴァへ行き旧ソ連時代の高水準の医療のおかげで見事手術に成功して、足が治ったことから感謝の意をこめて、なにかモルドヴァの人々にできることはないかと始めたのがきっかけです。

 

モルドヴァには今でも紛争などで親を失った孤児がたくさんいます。冬は結構寒い国なのですが、子供たちの毛布や日用品が不足しているとのことでした。また、どんなに優秀でも高等教育を受けれることは、ほとんどありません。

 

そのチャリティーショップの売り上げは、そのままお金で寄付すると、孤児院でどのように使われるのかが不透明だったので、必ず物品で、しかも輸送ではなく直接モルドヴァにオーナーや関係者が届けました。毛布は1枚いちまい全て手編みです。

 

宗教、政府からも独立した非営利団体

 

世界中でモルドヴァのことを知っている人は少なく、そのチャリティ・ショップは宗教団体、アイルランド政府や慈善団体なのからのサポートは一切ない状況で完全な非営利で切り盛りしていました。もちろん、働いている人やオーナー夫妻も報酬は一切なし。

 

毎月家賃に対して売り上げが赤字で、あと数ヶ月赤字が続いたら、やめるしかないという所まで追い詰められていました。オーナー夫妻は重度の病気持ちの夫と彼を支えるケアテイカーの奥さんで、決して裕福な暮らしをしていたわけではないので、なおさらです。

 

存続をかけた「セント・パトリックスデー」のイベント

 

そんなある日私たちが開いたクリスマス「セント・パトリックスデー」のチャリティーイベントに、アイルランドを代表する某有名歌手(日本では全く知られていない人)を招待したところ、なんと快く出演してくれたのです!

 

参加人数の少ないパプでのイベントだったので、どうなることかとヒヤヒヤさせられましたが、パブのお客さんなどからもたくさんの寄付が集まり、なんとか成功に終わりました。 しかも、後日その有名歌手から連絡があり、その人のおかげでオーナー夫妻が地元のラジオ番組に出演できることになったのです!

 

そのラジオ番組でチャリティのことを話すと、翌日お店には、ダウン症の娘を連れた母親が訪れて「私にも手伝わせてほしい」と言ってきたのです。彼女はダウン症のサポートグループの他の人たちにも声をかけてくれると言ってくれました。私もそこに居合わせたのですが、その時の驚きの瞬間を今でも忘れることができません。

 

そんなことがあってから、数ヶ月の間にお店は軌道に乗り、今では別の地域に2号店を出すほどです。あれから数年が経ちましたが、今でもあの時のことは、まるで奇跡のように思うことがあります。

 

あの時のクリスマスイベント「セントパトリックスデーのイベント」が成功していなければ、今頃お店はどうなっていたことか。。。(実を言うと、ハリウッド・スターのクリス・オダウドのお父さんも、ある情報誌のフォトグラファーとしてイベントに参加してくれました★)

 

現在、お店では、アイルランド人だけでなく、アメリカ人、東欧諸国の人たち、イギリス人など多くのバック・グランドを持つ人たちが働いています。

 

おわりに

今回は、アイルランドのクリスマスやチャリティーについて、一般的に知られているイメージとは別の角度から掘り下げて紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?少しでも、アイルランドの人々やクリスマス、共同体の意識について、興味をもっていただけたら嬉しいです★

 

今回もこの記事を最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。