お化け屋敷で夫と新生活スタート④ 【満天の星の下で焚き火をしながら過ごした大晦日の夜】
こんにちは★
前回は、シャワーのエピソードを紹介しました。
それから数日が過ぎ、その年もいよいよ残すところ1日、大晦日です。
アイルランドでは、普段は焚き火が法律で禁止されているのですが、大晦日だけは特別に誰でも自分の庭で焚き火をすることができます(公共の場は禁止)。 今も法律が変わってなければできるはずです。ちなみに農家さんは許可を得ているらしく、いつでも焚き火ができます。
見上げれば、上は満天の星。
衛星が動いているのも、キレイに見ることができます。
辺りは静まりかえっていて、庭の奥からは、水の音が聞こえてきます。地中の石灰石(Limestone) に流れ込む地下水の音らしいのですが。。。地下水の音が僅かに聞こえるなんて、信じられませんでした。
私たちは、ビールを片手に数日前から始まった私たちの新生活に(過酷な労働に)乾杯をしました★
途中で、不審火と勘違いをしたどこかの農家さんが車で駆けつけるというハプニングもありましたが、特に問題もなく楽しいひと時を過ごすことができました。
焚き火を終えて、家の中に入ると、ふたりとも灯りに照らし出されました。
すると、お互いの顔や全身がすすだらけであることに気づいて、しばらくの間お互いの顔を指差して笑ってました。
その後、すすだらけの服を脱ぎ捨て、新しいキレイな服に着替えました。
スモークマカレル(さば)で即席ちらし寿司をつくり、お腹もいっぱいになったところで、ラジオのスイッチをONに。。。
この家には、テレビもインターネットもまだなく、外界と私たちを繋げているのはラジオだけでした。テクノロジーが今のように進化する以前の世界にタイム・トリップしたかのような不思議な感覚でした★
ラジオで新年のカウント・ダウンが始まると、私は彼とこれから始まる楽しい生活を期待して、胸がワクワクしたのを覚えています。
そして、年が明けるとふたりでお祝いのハグをして、大はしゃぎをしました。
その後、まるで子供みたいに朝までぐっすり眠ってしまいました。
何か楽しい夢を見ましたが、それが何であったかは今は覚えてはいません。
今までの人生で一番私らしいというか、自ら率先して楽しもうとした年越しでした。今までは、年越しはこうやって過ごすべきだとか、やっぱり家族と紅白歌合戦を見てそばを食べるべきだとか、そういう概念に囚われた年越しだったと思うからです。それはそれで、家族や社会との関係性を保つためには大切な一種の儀式のようなものだったと思います。でも、時には自分が本当に過ごしたいと思う人と、思うように過ごすというのも良いなと思いました。
そしてこんな辛くも楽しい日々が毎日続けばよいのにな、と心から思いました。